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風に吹かれて、生きていこう


by bo-sou-at
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今さら、ママチャリGP最終戦の情けない話

週末にでも先日のエントリにテキストを追加してお送りします。
と表明してから3週間。
書かねば、と思いながらも、心に躊躇うものがあり手を付けることが出来ずにいました。
何にでも言えることでしょうが、いつまで引き籠もってても仕方ない。
ここらでブッチャケてみましょうか。

というわけで、さる1月10日に行われたママチャリGPの08シーズン最終戦のお話を。




08シーズンの3戦目となる最終戦、俺のチームは過去2戦のメンバーからゲスト参加なのにエースだったF先輩とコーチンさんが外れ、昨年の最終戦以来の参加になるsawaraさんとつっしーさん、それに「秘密基地の秘密兵器」サイボーグまっちーさんとお馴染みカリン様を加えた10人編成で臨みました。
場所は富士スピードウェイの本コース。
全長4.5キロ、そのうち1.5キロがメインストレート、ここを駆け抜け第1コーナーから第2コーナー、コカコーラコーナー、100Rをたどってヘアピンまではペダルを漕がなくても一気に行ける下り、その先にも下りは少しあるけどあとは最大約8.8%の勾配を苦しみつつ登り1周、というのが大雑把なレイアウト。1コーナーからコカコーラコーナーまでの下りは、とんでもなくスピードが乗るエリアで、昨年の雨のレースで我がチームの車体のメーターでは最大時速60キロ。
こんなスピードでの走行は当然ママチャリではあり得ないし、雨でなくドライコンディションだったら・・・だから楽しい、否、怖い。
で、そんなこんなを7時間、交代しながら走るのがこのレースです。

当日は4時にゲートオープン。でも前の晩から入場は出来たので、チャライダー・sawara・つっしー・玉ちゃんの若手4人に「先乗り」で前夜からの場所取り&テント張りを指示。監督命令は絶対です。
俺とロベルト氏は半休とって宿になる箱根の保養所へ食料と「燃料」の調達をしつつ移動、そして翌日以降の「仕込み」。で、タマネギをひたすら刻んでキーマカレーを作りました。これがその夜と翌晩の食卓へ。

俺たちが現地入りしたのは5時ちょっと前だったと思います。
暫くするとこんな具合に良い感じで夜明けに。
今さら、ママチャリGP最終戦の情けない話_c0031839_22335743.jpg
実は前の晩に事件が発生していました。
ママチャリを運んでいたチャライダーの車が、目的地まであと少しのとある駐車場で、誤ってバックし過ぎて背面に積んでいたママチャリの前輪を損傷、走行不能に。代車は用意していないので、これでは走る前からリタイアです。
4人であちこちの自転車屋に連絡を取るも、地方で時間が遅かったせいかどこもつれない返事。
しかし、奇跡的に現地に友人が居た玉ちゃんがその友人のツテでレギュレーションに合う車両を借りることに成功!とりあえず一安心。

でもそれだけでは終わりません。
●その1
いざ現地のピットでその借りた車両と対面すると、サドルが一番低いところから調整が出来ない(!)
これではその辺の高校生やオバチャン達みたいに「どんな時も膝が曲がりまくった姿勢」でしか走れず、あのコースでは大変危険。
しかも、車両は「ベルトドライブ」。ベルトドライブは初体験です。
「歯飛びしないか?切れないか?借り物を壊しちゃまずいだろ」おまけに「サドルを上げてもすぐ落ちる」どうしようか、正直リタイアをしようか、と。
でもサドルは調節金具の不良とわかり、サイボーグさんの力業でそいつを外し、たまたま持ってたマトモな金具と付け替えて問題解決。こうなりゃ走るしかありません。

●その2
夜明けまではよかったのに、それ以降お日様が高くなるに連れて風が吹き出し、やがてそれが強風に変わります。サーキットのピット裏は当然アスファルトなので、キャンプ場のようにキチンとペグなどで固定できず、あちこちでテントが吹っ飛びそうな状態に。ウチも最初は我慢してたけど、ウチを含めほとんどが昼前までにはテントを撤収し寒空のもと凍えながらレースを続ける羽目に。

ま、そんなこんながレース前からありました。

で、下の画像はレース前の参加者全員参加のミーティングに集まる様子。コースのメインストレートで行われました。
今さら、ママチャリGP最終戦の情けない話_c0031839_22343128.jpg

これはその様子を大型ビジョンで見た画像。すんごい人です。何しろ1000チームが参加ですから。
今さら、ママチャリGP最終戦の情けない話_c0031839_2235548.jpg
しかしこのミーティング、レース運営や当日の路面のコンディション、万が一の時の処置などの注意事項をオフィシャル側から聞くためのものなんだけど、これだけ大勢だとF1も走るコースに入ったことではしゃぎまくり、マトモに聞いてない人やそっちのけで記念撮影に興じる人が多くてちょっと閉口。
注意事項も聞かずに何かが起きてからでは遅いし、その何かが起きれば今後レースが継続出来なくなる場合もあるというのに。

この画像はレース終盤、メインストレート中央のピット側のフェンス際から最終コーナーを立ち上がってくる人たちを撮ったもの。
今さら、ママチャリGP最終戦の情けない話_c0031839_22353616.jpg

で、これはその位置からストレートエンドから第1コーナーへ向かうところの画像。
今さら、ママチャリGP最終戦の情けない話_c0031839_22355128.jpg
実はこのストレートも途中から少し上り勾配がついていて、1.5キロの距離と相まってかなりきつい場所です。

おそらく、ピットで交代したらそのまま2周3周と走るよりは1周ですぐピットへ戻ってきて交代する方が7時間の長丁場では体力温存できて結果的に良い成績だったかもしれません。
でもそれではこのストレートは味わうことが出来ません。
このストレートはまさしく「花道」、俺はそう思ってます。
普通の生活でも、信号なしで1.5キロもひたすらまっすぐの道なんてそうはないでしょ?
ここを走らずして、何がママチャリGPだっ!ってくらいに俺は思ってます。


で、肝心のレース内容の話し。
去年は全員最初は1周ずつの交代でレースを進めましたが、経験のあるメンバーも居たので今年は最初から一人2周を課してスタートしました。
全てはこのストレートを味わって貰うため、これに尽きます。

昨年は終始降り続いた雨に苦しめられましたが、今年は晴れたものの先ほども触れた強風に苦しみました。
これも先ほど触れたけど、普通なら1コーナーからヘアピンまではペダルを漕がなくてもスピードに乗って下っていけるし、そこを速く駆け抜けられればタイムも稼げそうなところ。
しかし今年はこの強風に2コーナーでは煽られる。そしてヘアピン手前では正面からまともに吹き付けて来て強烈な「ウインド・ブレーキ」になる始末。そのままでは前に進めず降りて押して歩く人が続出でした。
その先の最終コーナーまでの勾配はただでさえ「漕ぐより押した方が速い」と言われるところですから、ここまででタイムを稼げないと・・・・。
しかも寒い!んでもって前日の雨やら雪は何だったんだ?ってくらい空気は乾燥!
そういうわけで今年も最悪のコンディションでした。風さえなければ・・・・。
車両がいつもと違うというのも理由に出来なくもないけど、今年はそれ以前に天候にやられた、そんな気がします。

この状況下での「一人2周交代」策は上位を狙うには無謀でした。
半分が40代以上で構成されるわがチームはこの環境に負け、俺を含め4人が2周走ったところでリタイア、後は若手に任せましたが27周を走りトップと14周遅れの210位で終了。
(ちなみに去年は雨の中33周走ってトップと9周遅れで127位)
去年と比較すれば、大変残念な結果となりました。
密かにライバル視していた高校OB会のチームは俺等より2周多い109位でした。このチームに「移籍」したF先輩が大いに活躍した結果のようですが・・・。

今さら、ママチャリGP最終戦の情けない話_c0031839_22363299.jpg

俺が2周でリタイアしたのは「オッサン」だからではなく、最初の周回の第二コーナーで強風に煽られ体勢を崩しかけたのが原因です。
去年の雨のレースで、俺はここで時速50数キロから車体をスリップさせ転倒、身体は幸いにも軽い打撲程度だったけどヘルメットをおシャカにした経験の持ち主。ここだけは気をつけようと、かなり慎重に2コーナーに入ったのですが、強風に煽られたときに去年のことが頭をよぎってしまいました。
この周回は何とか切り抜けたものの、引き続きの2週目でまたしても強風に煽られ、前の周よりもスピードが乗っていた車体はコース外側にふくらみつつ激しく左右にブレ始める。路面コンディションは違えど、去年と同じ状態に陥りました。
これで頭の中では完全に去年のあのときの景色がフラッシュバックし、パニックに。何とか速度を落としてからペダルを踏むことで車体を安定させて持ち直しましたが、そこから先はもうダメ、あとは惰性で2周目を走りきることで精一杯。とても次に走ること、ましてや何もなく2コーナーをクリアすることなど全くイメージできませんでした。
これで走るのは危険、絶対コケます。そこでリタイアした次第。
思えば今年のレースは去年のリベンジのつもりで臨んでいたはずなのに、自分自身と風と寒さに見事に負けました。


それにしても、某全国紙の夕刊1面に掲載されるほど盛況なこのレースですが、
先に述べたミーティングもそうでしたが、ちょっと目に余る光景がいくつかありました。
性能向上を目的にした車両改造や、ママチャリ以外の車両、通常市販されていないようなオリジナルの車両はダメなはずなのに、どう見てもそうではなさそうな車両で参加してきているチームがいくつか見られたこと。今回からハッキリ禁止されたクロスバイクで走ってるのなんかまだ可愛いもので、どこかのチームなど前傾姿勢をとるためなのか、まるでハンドルかフレームみたいな太さのガッチリした前カゴを掴んで走ってました。あんな前カゴ無いでしょ、普通。ストレートを走るあの車両のカゴの両サイドにチラッと見えた(気がした)のはひょっとしてブレーキレバー?そんなママチャリがどこで売ってるの?
09シーズンに向け、またルールが細かいところで規制されました。
ここまで来ると「ルールだけ作って、後はエントラントの良識に任せる」って姿勢は危険な気がします。今回新たに決まった「サドルの高さの上限&ハンドルの高さの下限」なんてどうやって確認するつもりだろう、また言いっぱなしで済ませるのかな?
本来こういう細かい話しは抜きでおおらかに楽しむべきモノなのですが、本コースであれカートコースであれ、ああいう場所を並んで走れば、それはイコール競争になります。だから少しでも速く走れるようにしたいのはどのチームも同じ事。
そこは俺も大いに悩むところですが、やはり目に余るのはいけないと思います。

しかしそれよりも今回声を大にして言いたいのは「レースを続けられなくなるような事はダメだ」ということ。
車両云々の前に、このレースでは全戦通して「ヘルメット・手袋着用」は当たり前、服装も「長袖・長ズボン」が必須とされています。暑かろうと寒かろうとこの格好です。
なぜか?
それは万が一の事故・転倒の際にダメージを少なくするためです。
このルールを知ってか知らずか、今回「半袖(タンクトップだったか?)・短パン」で走っている馬鹿野郎がいました。
参加者は、レースにエントリーする前に誓約書を書くことを求められます。これは平たく言えば「レース中に何が起きてもそれは自己責任で、サーキットに責任を求めません」という内容のモノです。
が、だからといって「自己責任」でルールを守らない服装で走っても良いというわけではありません。
過去、サーキットという場所で起きた悲しい事故でどれだけのことになったかご存じでしょうか?警察の入念な操作はもちろんのこと、マスコミからは掌を返したような悪者扱い、サーキット=悪の温床的なイメージを持ち続ける団体からのバッシング等々・・・。
仮に何かが起きて、それが悲しいことになった場合、「自己責任」での振る舞いはとたんに「社会的責任」に転嫁し、もうこのレースは開催出来なくなるでしょう。
「知らなかった」では済まされないし、例えコスプレは奨励していたとしてもルールを踏まえないコスプレは論外です。もちろん、「俺は大丈夫」などという根拠のない自信はお呼びではありません。繰り返しますが「半袖短パン」だったあいつはホントに馬鹿野郎です。

今回、特にそういうルールを外れた光景が気になりました。
人数が多くなれば、統制をとり続けることは難しくなります。
多くのチームを募って話題になる事は大いに結構ですが、その結果がとんでもないことになっては元も子もありません。
何かが起きる前に手を打つべきだ(参加チーム数の縮小とか)と今回強く思いました。


さて、今年もシリーズは全3戦で開催される模様。
あんまりにも悔しいので今年も参加する、と今は去年ほど強く言い切れません。
ここまでクドクド書き連ねたことをいろいろ考えると、ちょっと迷っているのが正直なところ。

でも、春にはまたカートコースにきっといるだろう、とは思いますけど。

パドックからピットの向こうにそびえる富士山を撮りました。
今さら、ママチャリGP最終戦の情けない話_c0031839_23212643.jpg

容赦ない強風と寒さの中、
それでも富士山はやはり美しかった。素敵です。
新春にこれを拝めただけでもよかったのかな、今回は。
by bo-sou-at | 2009-02-08 19:27 | たかがチャリ